どこから話したらいいでしょう。
僕はNFTを始めてから、たくさんの人達と出会いました。
みんな好奇心が旺盛で新しいことが大好き。
未来にワクワクしています。
そんなNFTライフを続ける中で、こちらのツイートが目に入りました。
海外で支援物資を運ぶトラックにCryptoNinjaやCNPのイラストが掲げられていたんです。
CryptoNinja、CNPと言ったら、日本でNFTに触れている人で知らない人はいないでしょう。
「海外にもCryptoNinjaが進出か。すごいなぁ。」
当時はその程度の感想でした。
このツイートが何を意味しているのか、支援物資は誰が何のために運ぶのかということまで思いを馳せることもなく。
表面しか見ていませんでした。
NFTそのものだけに興味があって、その先にあるものを見ていませんでした。
その後、僕はこのツイートの主である横山さん(@ginzy)とNFTを通して繋がることになります。
僕が執筆したmaishintaさんの紹介記事を見た横山さんが、maishintaさん(@maishinta_s)のNFTを購入してくれたことがきっかけでした。
そして、ようやく横山さんに直接お会いできたのは、AOTさん(@OrientedTokyo)が運営している飯能のHifive Galleryでのイベントでした。
イベント後のmaishintaさんのソロコンサートにもご一緒できました。
NFTを通して出会えた横山さん。
トンガで困っている人たちを日本から支援しています。
そんな彼から、「トンガで活動している妹の記事を書いてほしい」とご依頼をいただきました。
今回は、横山さんの妹であるルイ敬子(たかこ)さんについてお話します。
トンガのババウ島で子ども2人と暮らすルイ敬子さん
横山さんの妹のルイ敬子さんはトンガのババウ島でお子さん2人と暮らしています。
ババウ島を支援するNPO、NGOを立ち上げたり、
YouTubeでババウ島での生活や支援活動について発信しているんですよね。
ラグビー選手だった夫の母国に移住し、離婚後も現地に残り子ども達と生活しています。
こちらの動画では「おうち」について話していて、
敬子さんから子ども達へ伝えたいことが、ババウ島での生活の映像と共に流れます。
どこにいても、どんな場所でもいい。
「ママがいたら、もう おうち。」という子ども達の言葉が印象的でした。
「世界の村で発見!こんなところに日本人」に出演
敬子さんは、テレビ番組「世界の村で発見!こんなところに日本人」に出演したことがあります。
こちらの動画はその放送の反響を受けてのビデオレター第1弾。
敬子さんが運営しているYouTubeチャンネル「Cocokara beach」の一番最初の動画です。
ババウ島での敬子さん一家のリアルライフをYouTubeを通しての発信する活動がここから始まりました。
母ひとりと子ども2人。
動物達に囲まれた賑やかな生活で、子どもたちと一緒に育っていきます。
動物達の朝ごはんはココナッツ。
採れたカニだってなんでも分かち合います。
自分で採ったものをカニでもウツボでも魚でもなんでも食べる。
豚だって丸焼きにして食べちゃいます。
子ども達がたくましく育つ。
怒ったり落ち込んだり、たくさん泣いて、そして踊って。
『シンプルだけど、生きることってこういうことだと思う。
普通じゃないけど、それでいい。』
動画の最後の言葉が刺さりました。
なお、「世界の村で発見!こんなところに日本人」は2020年1月7日に放送されました。
女優の南果歩さんが敬子さんに会うためにトンガを訪れたんですよね。
番組をご覧になった方もいるのではないでしょうか。
こちらのツイートは、トンガで火山噴火が起きた後に番組が敬子さんの無事を確認したときのもの。
トンガの火山噴火で二度の被災
こちらの動画は2022年1月に発生したトンガの火山噴火後の状況。
火山灰でサングラスとマスクなしでは外に出られません。
通信は無線のみ。日本人の生存は敬子さん家族で完了しました。
ババウ島は雨水が飲み水の島ですが、火山灰の影響で酷い状況に。
学校を回って火山灰で覆われた屋根と雨樋(あまどい)の洗浄。
火山噴火から約半月後に日本からの支援物資が自衛隊ヘリで到着しました。
東日本大震災でも被災している敬子さん
2011年3月の東日本大震災のとき、敬子さんは日本の釜石に住んでいました。
津波で大きな被害を受けた地域です。
敬子さんは、津波が来る前の最後のバスにたまたま乗れたことで命を取り留めています。
この経験から「生きる」ということを考えるようになったとのこと。
さらに約10年後、前述のとおり移住先のトンガの火山噴火で二度目の被災しています。
日本で当たり前のことが、当たり前じゃない
こちらの動画は、ババウ島の学校のお話。
日本には病院があって、みんな手を洗ってうがいもできます。
ババウ島ではそれが当たり前にできません。
衛生環境が悪く、病気になった友達が亡くなってしまう。
金曜日に会った友達が、翌週にはいないということもあります。
日本で当たり前のことが、当たり前じゃない。
電気がない。トイレも壊れて使えない。
洗面台も水が出ない。飲み水も足りない。
敬子さんはプロジェクトを立ち上げ、日本の仲間達から100万円の寄付が集まりました。
寄付金でトイレを改修し水も使えるようになりました。
2017の出来事。
活動はその後も続き、後に朝日新聞や静岡新聞にも掲載されました。
NPO法人「VFCP」(ババウ島未来を作ろうプロジェクト)を共同で設立
VFCP(Vava’u Future Creating Project)は、敬子さんが日本の仲間と共同で立ち上げたNPO法人です。
兄の横山さん(@ginzy)が団体の代表を務めています。
トイレの改修や火山噴火後の洗浄作業等の支援は、VFCPの活動の一つ。
こちらから活動レポートを見ることができます。
2011年に釜石で震災を経験した敬子さん。
全てが津波に飲まれ、多くの人がたくさんのものを失いました。
それを乗り越えて復興を果たし、生きる意味を改めて考えさせられた体験があります。
トンガへ移住し、信じがたい状況を目の当たりにしました。
感染症で命を落とす子ども達。日本に当たり前にあるものがトンガにはありませんでした。
敬子さんの呼びかけにより友人や同士、そして釜石で震災を経験した仲間達が集まり活動の輪が広がり、VFCPが立ち上がったんですよね。
VFCPの活動への支援・寄付についてはこちらのページをご覧ください。
日本から届いたビデオレター
敬子さんの元へ日本から2本のビデオレターが届いた時の動画です。
(※東日本大震災の写真が流れるのでご注意の上、視聴してください。)
「なんて言ったらいいのか分からないくらい胸が熱くなりました」と敬子さん。
みんなからの応援が本当に嬉しかったそう。
1本目は「盛岡工業高校ラグビー部」からの動画。
『トンガの子供達にボールを届けよう』と
監督が5年間貯めてきたラグビーボールを生徒達が磨く姿。
110個のラグビーボール。
最後にはビデオメセージも。
2本目の動画は釜石市から。
釜石市もババウもラグビーのまち。
「釜石ラグビー×釜石鵜住居復興スタジアム記念ボール」は世界に25個だけ。
その1つがババウに。そしてTシャツも送られました。
動画ではババウ島について説明。
日本から7,800Km離れた、地図で見たら小さな点。
約61の島々があり、そのうち54は無人島。
手付かずの大自然に囲まれた島がたくさん。
人口は約15,000人。
7月から10月はザトウクジラがやってきます。
この島の人々はラグビーが好き。
ペットボトルがボール代わり。
整備されたグラウンドはありません。
スパイクが高級品のため、メンバーで使い回し。
そして今回の日本からの支援は、ただ物を送るだけではありませんでした。
ラグビーワールドカップが開催された「釜石鵜住居復興スタジアム」は、
東日本大震災で津波が襲った場所。
全てが一瞬で消えました。そして世界中から助けてもらいました。
今度は少しでも世界の人たちの力になりたいという恩返しの気持ちから、
今回の支援に繋がっています。
支援活動を経て、現地NGO「TALANOA Community Trust」を立ち上げる
こちらの動画は、トンガの火山噴火で不足した物資を本当に必要な人に届けたいという想いから、
敬子さん自ら子ども達と共にトラックで物資を運んで配った際のものです。
この活動をきっかけに敬子さんは現地NGO「TALANOA Community Trust」を立ち上げました。
日本でスタートしたNPO法人「VFCP」をベースに、
現在は募金とJICAの活動支援を受けながら運営しています。
2022年1月15日、トンガの火山噴火し世界中が注目しました。
ところが2月に入りロシアがウクライナ侵略を始め、
テレビや新聞からトンガの話題が消えてしまったんです。
それでもトンガのことを思い続けてくれていた人たちがいました。
被災から6ヶ月後、日本からの支援物資が届きました。
本当に支援が必要な人に届けたいと敬子さん。
そして物資を届けるだけではありません。
支援してくれた人々の心や笑顔を届けたい。
そこで、敬子さん達はトラックに支援者の方達の笑顔やイラストを貼りました。
それが冒頭で紹介したこちらのツイートの画像です。
1件1件トラックで回って自分たちで物資を届けました。
物資を届ける中で、敬子さんは感動と共に怒りや悲しみ、優しさが混じった複雑な気持ちになりました。
本当に支援が必要な人々に支援が届いていなかったんです。
ニュースやSNSでは見えない人々の本当の苦しみ。
今回の支援がきっかけで敬子さんは現地NGOを「TALANOA Community Trust」立ち上げました。
小さな島の人々のためにできることを追求し、継続していきたいと敬子さん。
NGOの名称「タラノア」は現地の言葉で「会話する」という意味。
「クリエイティブ」という言葉がない国でクリエイターを目指す子ども達を支援
こちらの動画は、政府の会議室を借りてアート教室を開催した際の動画。
夢中になって絵を描く子ども達。
トンガではアートの授業がなく「クリエイティブ」という言葉がありません。
アーティストという職業がないんです。
「クリエイティブ」という言葉がトンガ語にはない。
この教室に参加したクリス。
彼女は自閉症です。
絵を描くのが大好き。
彼女は小学1年生の時点で話すことができませんでした。
コミュニケーションを取るのが難しく、学校からいつも泣いて帰ってきました。
学校で石を投げられたこともあったそう。
彼女が描く絵は、泣いている姿がたくさん。
自分の目にしたものや気持ちを絵に描きます。
敬子さんは、彼女にデジタルアートにチャレンジして欲しくて、タブレットをプレゼント。
それ以来、彼女は毎日絵を描いています。
将来の夢は「アーティスト」。
絵を描くようになってクリスは変わりました。
好きなことを見つけると人は変われるんですね。
日本のアートギャラリー「Hifive Gallery」に作品を展示
クリスの絵が日本のアートギャラリーに展示されました。
2023年4月のこと。敬子さん一家も一時帰国。
展示されたのは埼玉県飯能市のムーミンバレーパークに併設されたメッツァビレッジ内にあるHifive Gallery。
ここでAOTさん(@OrientedTokyo)がNFT ART ギャラリーを運営しています。
NFTを中心としたアート作品の企画展示を行っているんですよね。
筆者のアヲアヒル自身も、ここに何度も訪れています。
ここで敬子さんの兄である横山さんにようやくリアルでお会いできたり、maishintaさんやたくさんの人達と会うことができました。
AOTさんにはとても感謝していて、彼のクリエイター支援の取り組みもとても素晴らしいと思います。
NFTに関心のある方は是非一度行ってみることをお勧めします。
ギャラリーを運営するAOTさんは、先日一般社団法人を立ち上げました。
自立した個人が自由な表現を通じ、持続的に活動できる新たな文化経済圏の実現を目指しています。
詳しくはこちらの公式サイトをご覧ください。
「A.O.T. Member Pass」というNFTも発行しています。
また、こちらのサイトから寄付を通じて彼の活動を支援することもできます。
「あおぱんだ」とコラボ
こちらのAoUminoさん(@Devil_Kitties_)のツイート動画をご覧ください。
先ほど紹介した政府の会議室を借りて定期的に開催しているアート教室で、「あおぱんだ」とのコラボが実現しました。
これは、敬子さんの兄である横山さんの「あおぱんだ」NFTコミュニティでの活動によるもの。
「あおぱんだ」のぬいぐるみやノートが配られました。
みんな楽しそうに「あおぱんだ」を描いています。
動画の最後には子ども達の作品が流れるので是非ご覧ください。
また、先ほど紹介したHifive Galleryでも「あおぱんだ」のぬり絵ワークショップが開催され、たくさんの子ども達が参加しました。
こちらのAOTさんのツイートの3枚目は敬子さんのお子さん達です。
とてもいい笑顔ですね。
「あおぱんだ」はアニメーターのAoUminoさんが作り出したキャラクター。
TikTokで人気を博し、2022年に10月にはジェネラティブNFT「Aopanda Party(APP)」をリリースしました。
テーマは「毎日がパーティー」。
詳しくはこちらの公式サイトをご覧ください。
「ニンジャ寺子屋」さちこバナナ校長とスペース対談、イベントも開催
日本最大級のNFTコミュニティ「NinjaDAO」から生まれた「ニンジャ寺子屋」。
「自由な学び」を大切にするメタバース(仮想空間)の中にある学校です。
そんなニンジャ寺子屋の校長である、さちこバナナさん(@sachikonobanana)と敬子さんがTwitterスペースで対談を行いました。
録音が残っていますので、こちらから聴くことができます。
「便利イコール幸せではない」「生きていることが凄いこと」
2回の被災を経験した敬子さんからの言葉には重みがあります。
2023年1月にメタバース上のニンジャ寺子屋で「トンガクイズ大会」も開催。
敬子さんやお子さん達も映像で参加しています。
トンガのことを知ってもらういい機会になりました。
こちらの動画で当日の様子を見ることができます。
ニンジャ寺子屋公式サイトはこちら。
寄付も受け付けています。詳細はこちら。
NFTをきっかけに繋がって繋がって繋がった
今回、NFTを通して知り合えた横山さんからお話をいただき、妹の敬子さんを紹介させていただきました。
おそらくこの記事をご覧になっている方は2パターンで、
NFTに関心のある方か、支援活動をするルイ敬子さんのことを知りたい方だと思います。
前者の方は、NFTから少し離れた話になっているので、新鮮だったかもしれません。
後者の方は、NFTと言われてもあまり馴染みがないかもしれないですよね。
NFTというのは1点もののデジタルデータと言われていて、
デジタルイラストに希少性を持たせることができます。
そういった新しいものが好きで始めたNFT。
NFTを通じてたくさんの人と出会えました。
でもまさか、このようなNPO、NGOといった支援活動をする方と繋がれるとは思ってもいませんでした。
「NFT」と「支援」は相性抜群
「NFTは繋がり」とか「NFTは推し活」とも言われたりします。
「NFT」と「支援」の相性ってすごくいいんですよね。
全てのやり取りが見えるので「支援が可視化される」なんて言われることもあります。
NFT、Web3にコミットする身としては、
NFTを絡めることで、支援の輪も広がるんじゃないかなとも感じました。
既に「あおぱんだ」さんとコラボもされてますしね。
NFTコミュニティのパワーというのもとても大きいです。
今後クリスの絵のNFT化やNPO、NGOへの支援者への返礼NFTも予定しているとのこと。
終わりに
最後に、今回記事執筆の依頼をしていただいた横山さんにお礼を言いたいです。
お声がけいただきありがとうございました。
そして完成までにかなり時間を要してしまい、すみません。
「期限は考えてすらいない。1年でも2年でも待ってます。
Web3にフルコミットしたアヲさんの視点で書いてほしい。」
と言っていただいたことが、とても嬉しかったです。
個人的な話をすると、僕自身は中2で不登校のひとり娘を育てるシングルファザー。
子ども達とたくましく暮らす敬子さんの姿を見て、自分も頑張らなくちゃと鼓舞されました。
先日のCryptoNinja Festivalで敬子さん一家にご挨拶できてよかったです。
この記事を通して、敬子さんや横山さん達の活動が少しでも広まってお役に立てたら光栄です。
ルイ敬子さんに関するサイト一覧
◯現地NGO「TALANOA Community Trust」
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